春間教授の講義

当院では月に1回、川崎医科大学食道・胃腸内科の春間賢教授が来院され内視鏡を中心とした診察を行ってくださっております。診療の後に最新の内視鏡診察についての事などを教えてくださいますので、皆様にお伝えできればと考え始めさせていただきました。


“地球の反対側での内視鏡”

地球の反対側のブラジル、チリで講演と内視鏡検査についてのお話です。


むこうでは医療体制も日本と違うものもあってか、春間先生が滞在された病院(ブラジル南部のポルトアレグレ市にあるリオグランデ州立大学FUGASTという施設)では内視鏡検査と治療だけ独立したような施設で、しかもその施設には何十人という内視鏡をする医師がいるなど日本では想像がつかない状況です(春間先生が招待される様な施設なので、その国ではトップクラスの施設ということもあるのでしょうね)。


さて、外国の方には検査時に嘔吐反射(オエッとなること)が強いためか、実際の内視鏡を行う状況では麻酔科医が麻酔を行い、完全に意識が無くなった状態で検査を行うようです。まだ、経鼻内視鏡(鼻からの胃カメラ)も十分に普及していないようです。

患者さんの視点からいくと、しっかり眠った状況で検査が行われることが一番楽だと思うのですが、どうも我々(日本の医者)の見方でいくと、全身麻酔の危険性などを考えると躊躇してしまいます。また、設備、スタッフも相当揃っていないといけないので、ブラジルで内視鏡は2か月待ちとのこと、さらに麻酔科の先生への医療費の支払いがありますので、日本の内視鏡検査からは想像もできないほどお金のかかる検査です。

春間先生が“日本はどこでも同じ高いレベルの医療が受けられる。これは、本当に素晴らしいですよ”とおっしゃっていました。ぼくらも、春間先生の期待に応えられるべく、日々研鑽をつんでいこうと気を引き締めてまいります。


ブラジル、チリでは食道や胃の病気はどうかというと、あちらではピロリ菌の感染率が70%と高く、胃がんは多く見つかるとのことでした。また、20代の女性の早期食道がんも現地で発見されたとのことです。その方はお酒やタバコなども踏まず、家族にもがんの方はおられないとのことです。前回もお話を頂いたのですが、これからは予想外の患者様からも食道がんが発生するというのも、我々日本の医療者も再認識が必要なのだろうと感じさせていただきました。

 

医療レベルについては、早期胃がんを見つけようという医師たちの熱意もあり、日本の技術を学ぶ医師も多く医療レベルはどんどん進歩しているとのことです。内視鏡の機器もほとんどが日本製であり春間先生が引っ張ってこられた日本の内視鏡医療の素晴らしさが実感されます。また、春間先生を招待された方は春間先生が以前に日本で指導をされた方とのことです、春間先生が2013年5月に京都で会長を務められた日本消化器内視鏡学会総会においても、日本のみならず海外の若手の医師を多数招待されたとのことで、日本のみならず世界の内視鏡診察の発展を常に願っておられ、それが徐々に実を結んでいるのが実感されます。


当院も、月に一度春間先生が来られるという恵まれた環境を十分に生かして、皆様に貢献していきます。また、次回の来院の際も素敵なお話を聞かせて頂けることを期待しております。 


最近は食道がんが増えている

「お酒とたばこは控えめに!」「ぜひ、喉も診ることのできる細い経鼻内視鏡検査を受けてください」


今回、春間先生から教わったのは最近食道がんが増えている、特に女性の食道がんの増加が目立つということでした。


食道がんといえば、お酒、たばこを好まれる男性に多いというのが以前から言われており、これは現在でも変わりないのですが、その中で女性の食道がんが増えていると実感されているとのことです。皆様方もご存知の通り、多くの著名人の方が食道がんで治療を受けておられます。多くは男性ですが、最近、お酒、たばこと縁がない女性にも食道がんが起きているとのことです。


その原因については不明な部分が多く、春間先生が研究を進められています。そして、胃がんに対するピロリ菌除去両方の様に画期的な方法を見つけてくださると信じております。


春間先生にこの様な大事な情報を教えて頂いた当院で、患者様に提供できることといえば食道がんを出来るだけ早く見つけること、内視鏡で治療できる段階で見つけることです。


春間先生が“少なくとも年に1回、いや2回行ってもいいと思う”とおっしゃられたので、当院も患者さんに繰り返し内視鏡を受けていただけるように、苦痛を少なく、すぐ内視鏡が出来る体制を充実してまいります。最近の内視鏡は細くなり、経鼻で行うとこれまでなかなか耳鼻咽喉科でも検査が難しかった“喉”も診ることができます。お酒、たばこに心当たりのある方、喉のイガイガ、不快感、つまり感、胸やけ、胸のあたりのモヤモヤ感などのある方、ぜひ、経鼻内視鏡検査を受けてください。


また素敵なお話を聞かせて頂きましょう。